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4.ストーカー退治は予想外!絶対貴様は許さない!
「いいか、西川、外へ出る時は俺が一緒にいるから、帰宅した後は一人で外に出るなよ。あと、念のため、俺の携帯電話の番号をおふくろさんに渡しておいてくれ。友達の番号だから、何かあったら電話してって」
「わかった。ありがとう」
「ああ、じゃあな!」響は輝海を家まで送った後に帰宅した。
家に戻ると、庭で堵夢がまだかまだかと響を待っていた様子だった。
「おい、響っ!やっと帰って来た!なあっ、俺のところにも女の子が依頼しに来たんだぜ!」
「え?マジで?それで何だって?」
「いやさ、俺たちが街中でリンチされている奴を助けたところを見たことがあるらしくてさ、いじめにあっている彼氏を助けてくれって、かわいい子ちゃんがさぁ~目をウルウルしながら言う訳よー」
「で、引き受けたの?」
「おう!デート一回で手を打った!」
「お前、若干非道じゃない?彼氏を助けるのにデートって」
「お前な、恋愛は戦いなんだよ?そんな軟弱な男、絶対やめた方が良いだろ?」
「それはわかんないけど」
「ところで響くん、君のお話聞かせてもらおうか」
「あっ、ああ」響は堵夢に事情を説明した。
「なるほどね。まあ、柔道部のこともあって彼女はお前の方が強さを目の当たりにしているからな」
「それだけかよ?」
「えっ?一回デートしただけで、自分のこと好きだとか思ってないよな?」
「ねっ、ねえよ。そんなのわかっているよ」
―そんなことはわかっている。卒業式の時に思い知ったさ。
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