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5.報酬は飴ちゃん?可愛いあの子の眼差し!
ピンポーン。
日曜日の朝九時、家のチャイムが鳴った
「よう、響!」
ずかずかと音を立てて響の部屋に通された声の主は大外日花里だった。
「なんだよ、日花里。いきなり人の部屋に入ってきて!」
「BBBってなんだよ」
「なんのことだよ?」
「しらばっくれても無駄だよ。バッドバスターボーイズだろ。輝海から聞いた」
「わかった。わかったからそれがどうしたんだよ?」
「依頼」
「え?」
「依頼だよ!」
「お前が俺に頼みごととはな」
「違えよ!いいからちょっと来い!」
日花里は寝起きの響の腕を引っ張り、公園へ向かった。そして公園に着くとブランコに座る一人の少女に声をかけた。
「碧ちゃーん!」
「あっ、日花里お姉ちゃん!」日花里に懐いている少女はすぐさま響に視線を送ると不思議そうに見つめ続けていた。
「ほら、響、あいさつ」
「あっ、こんにちは。蒼野響です。宜しくね」
「私の名前は森田碧(みどり)です。小学校一年生です。宜しくお願いします」
「ずいぶん、しっかりした子だな」
「碧ちゃんはね、私の家の隣にあるアパートに住んでいるの。一昨日、大阪から引っ越して来たんだけど・・・響、この痣(あざ)見てよ・・・」そう言って日花里は碧ちゃんの体を響に見せた。
碧ちゃんの腕や背中には複数の痣やひっかき傷があった。
「まさかとは思うけれど、虐待か?」響は碧ちゃんに聞こえない声で日花里へ耳打ちをした。
響の質問に日花里は静かに頷き、事の真相を話した。
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