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「昨日、碧ちゃんが一人で遊んでいたから声をかけたんだ。そして一緒に遊んでいたら、痣見つけちゃって問い詰めたら、義理の父親にやられたみたいでさ。その父親から逃れるために、大阪からこっちに来たんだって。お母さんは元々、こっちの人みたいでさ」
「へえー、酷いな。しかし、逃げてきたのなら大丈夫なんじゃないか?」
「いや、それが昨日の晩に、母親に電話がかかってきてさ、居場所はばれていて、今日にでも迎えに来るって話みたいなんだよ。泣きながら電話をしている母親を見て、慌てて私のところに来てさ、助けてって・・・」
「なるほど。じゃあ、まず母親に会ってみないとじゃないか?」
「会ったよ。悪い人じゃないんだけれど、その男に酷(ひど)く怯えていてさ。言いなりみたいなんだよ」
「恐怖支配・・・わかった。どうにかしよう。でも、BBBへの依頼だと唯と言う訳にはいかなくなるからさ、今回は俺の・・・」
「はい」碧ちゃん笑顔で握り拳を響に差し出した。
「ん?」
「ほーしゅ」碧ちゃんが差し出したのは小さなその手に握れるだけの飴玉だった。
「飴ちゃん♪」
「あはは、飴か・・・」
「バッド バスター ボーイズへの依頼だぜ!響、堵夢と二人で頼むよ」
「わかった。その笑顔と飴で手を打とう」
2人と別れた後、早速だが堵夢と近くの河川に掛かる下奥橋で落ち合った。
「堵夢、今回の依頼なんだが・・・」堵夢に詳細を話す。
「なるほどな。わかった。日花里と小さな女の子の依頼ですと。それで報酬は?相手が小学生の子供って、俺たち無料(だだ)では動かない約束だろ?」
「無料じゃないんだけど・・・」響はそう言って、もらった飴玉と、親子の写真を堵夢に見せた。
「いや、響、待て。額じゃない。気持ちが大事だ。悪かった」
「あっ、だよな。言うまでもなかったな」
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