1.巷(ちまた)で噂の電気男(でんきマン)!

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昼休み。 二人は、屋上でカツサンドと牛乳を口に運びながら、他愛もない話を繰り返した後、こう続けた。 「なあ堵夢、俺たち、どんどん強くなっているけれど、空も飛べるようになるのかな?」 「このままだとヒーローっぽくなっちゃうよな。まあうちの親父次第だろ。でも空飛べたら、完全なヒーローって感じだよよ」 「だよな。アメコミとかにいそうだよな。俺なんて電気を操る上に空飛べるんだぜ!電気男(デンキマン)、かっこよくね?」 「確かに!でもそれってもう既にいなかったっけ?マン使うならエレキマンじゃねえの?」 「そう?でもお前なんて空飛べて喧嘩強いだけって完全にスーなんちゃらマンじゃん!」 「あはは、スーなんちゃらマンでも良いわ。困っている人を助けられて、女の子にもきっとモテモテ・・・」 そう言いながら堵夢は双眼鏡でプールを眺めていた。 「おい、やばいって!」 響がそう言った瞬間、双眼鏡のレンズが太陽の光に反射し、プールの女子たちが騒ぎ出す。 「やばい!やばい!」 二人は慌ててその場を後にした。水泳の授業を見ることは悪いことではない。うん。きっとそうだ。響は自分に言い聞かせた。 「って言うか次の授業始まってる!」 長いようで短い学校が終わってすることはいつも決まっている。 普通の高校二年生なら部活、塾またはバイトってところだろう。しかし響と堵夢は違う。 ー彼らは二つの顔を持つ。 バッド バスター ボーイズ。 通称BBB(トリプルビー)。 ホームページには悪を否定する書き込み、悪の撲滅依頼が送られる。 二人は手持ちのスマホでそれを確認しながら、今日の動きを打ち合わせ現場に向かう。 時に依頼人に会って打ち合わせや交渉をする。 BBBは悪を許さない。 全てはこの世の美女、いや、人々の笑顔を絶やさない為に。 という・・・体(てい)である・・・。 「おい響、妻夫木(つまぶき)あやめちゃんだってよ!写真付きだ!これにしよう!」 「いや、堵夢、写真付きはどうみても怪しいだろう・・・」
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