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昼休み。
二人は、屋上でカツサンドと牛乳を口に運びながら、他愛もない話を繰り返した後、こう続けた。
「なあ堵夢、俺たち、どんどん強くなっているけれど、空も飛べるようになるのかな?」
「このままだとヒーローっぽくなっちゃうよな。まあうちの親父次第だろ。でも空飛べたら、完全なヒーローって感じだよよ」
「だよな。アメコミとかにいそうだよな。俺なんて電気を操る上に空飛べるんだぜ!電気男(デンキマン)、かっこよくね?」
「確かに!でもそれってもう既にいなかったっけ?マン使うならエレキマンじゃねえの?」
「そう?でもお前なんて空飛べて喧嘩強いだけって完全にスーなんちゃらマンじゃん!」
「あはは、スーなんちゃらマンでも良いわ。困っている人を助けられて、女の子にもきっとモテモテ・・・」
そう言いながら堵夢は双眼鏡でプールを眺めていた。
「おい、やばいって!」
響がそう言った瞬間、双眼鏡のレンズが太陽の光に反射し、プールの女子たちが騒ぎ出す。
「やばい!やばい!」
二人は慌ててその場を後にした。水泳の授業を見ることは悪いことではない。うん。きっとそうだ。響は自分に言い聞かせた。
「って言うか次の授業始まってる!」
長いようで短い学校が終わってすることはいつも決まっている。
普通の高校二年生なら部活、塾またはバイトってところだろう。しかし響と堵夢は違う。
ー彼らは二つの顔を持つ。
バッド バスター ボーイズ。
通称BBB(トリプルビー)。
ホームページには悪を否定する書き込み、悪の撲滅依頼が送られる。
二人は手持ちのスマホでそれを確認しながら、今日の動きを打ち合わせ現場に向かう。
時に依頼人に会って打ち合わせや交渉をする。
BBBは悪を許さない。
全てはこの世の美女、いや、人々の笑顔を絶やさない為に。
という・・・体(てい)である・・・。
「おい響、妻夫木(つまぶき)あやめちゃんだってよ!写真付きだ!これにしよう!」
「いや、堵夢、写真付きはどうみても怪しいだろう・・・」
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