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写真部の部室を訪れてから、一週間。いよいよ顔合わせ会の日が来た。
あれから、有紀や長瀬と話をすると、二人とも面白がって、じゃあ兼部って形で私たちも入ろうかな、なんて言いだすし。でも、ちょっと心強いけど。まあ、なるようにしかならないよね。
部室のドアを開けると、部長、副部長、それに西大寺君がいた。
「こんにちは」
「おっ、来たね。新入部員ちゃん」
「こんにちは、佐倉さん。どうぞ、空いている席に座って」
「はい」
そうは言っても、いきなり西大寺君の隣っていうのもちょっと勇気がいるし。なので、少しだけ離れた席に座ることにした。
しばらくこの緊張状態が続くのかと思ったけれど、すぐに、有紀と長瀬も来てくれて、何とか二人だけで話すという、ハードルの高いことにはならなかった。
そして、最後に静かに法界院先輩が現れて、全員が揃った。
「じゃあ、会を始めるわね。とりあえず自己紹介っていう場面かもだけど、今年の新入部員はもう顔見知りなのよね。だったら、大丈夫ね。まずは……、今後の活動予定についてだけど。副部長、用意できてる?」
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
相生先輩は束になった紙を受け取る。
「うちは基本的にフリーな活動がほとんど。ただ、イベントは夏の合宿と秋の文化祭。まあ、この二つがメインね。あとは、コンクールとか写真展とか、適宜応募していくって感じかな」
へぇー、合宿とかあるんだ。山とかにこもったりするのかな……。まあ、そんなわけないよね。
「それじゃあ、特に質問とかない? ないようなら、今日の残り時間は、今後使ってもらう機材について、説明するわ。じゃあ、とりあえず休憩。二十分後に再開ね。あっ、そのときには顧問の先生も紹介するわね」
そして言いたいことだけ言って、部長は部屋を出て行ってしまった。本当に我が道を行く人のようだ。
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