5 顔合わせ会

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「ねえ、さおりん」 横に座っている有紀が話しかけてくる。 「えっ、なに?」 「よかったねー、西大寺君が一緒で」 「いや、まあ、そうだけど……」 さおりんは、いつも直球を投げてくる。まあ、そんな飾らないところが、良さだったりするんだけど。 「よお、佐倉。これからもよろしくな」 そういって、私の頭を長瀬が小突く。 「もお、何するのよ」 「いやいや、ちょっとしたコミュニケーションじゃないですか」 そんな会話の中でふと西大寺君を見た。窓の外を見ていたみたいだけど、こちらに気づいて笑顔を返してくれた。私は直視できず、顔を赤らめてしまった。 「お、さおりんの顔が急に赤くなったよー。どうしたのかな?」 「いやー、ほんとですなあ、三門さん。いったい佐倉さんはどうしたんでしょうねぇ?」 「もう、二人とも。からかわないでよ!」  こんな風にバカみたいに話せる相手がいるって幸せだ。私ももっと頑張らないといけないなぁ。 窓の外の木々たちは青葉を茂らせていて、段々と夏が近づいてきていることを感じさせた。
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