3 部活動

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「よーし、じゃあ部活動の調査用紙を配るぞー」 担任の高梁先生の声が教室に響く。 「うちの高校は基本的に何かの部活に所属してもらうから、そのつもりでなー。もちろん、兼部もできるからなー。まあ、君たちの好きにしてくれー」  うーん、部活かぁ。どうしよう……。窓際の席になった特権でもある青空を見上げる。 「じゃあ、締め切りは二週間後な。仮入部してみて、よく考えておけー。じゃあ、解散ー」  そう言って、先生はさっさと出て行ってしまった。まるで男性のようなサバサバさ。私には到底まねができないなと、思ってしまう。 「ねえ、さおりん」 私の前に、有紀がお弁当を持って現れた。 「部活、どうする?」 「うーん、そうだなあ……」 私の悩みを聞く気があるのかどうかわからないが、弁当箱をさっさと開け、有紀はパクパクと食べ始める。 「やっぱり有紀は陸上なの?」 「そうだね、中学からの経験を生かしたいし。さおりんは?」 「私は……絵を描くのは好きだけどなぁ……」 卵焼きを口にほおばりながら、有紀は言う。 「そういえばさ、西大寺君って何部に入るんだろうね? 中学の時はサッカーだったけど」 「やっぱり、続けるんじゃないの?」 「そうかもね。でも、そこは長瀬とかに訊いてみたほうがいいかもね。あいつ仲よさそうだし」 「そうだね。そうしようかな」  私は、持ってきたサンドイッチをほおばりながら、考える。もし、同じ部活なら、少しは私の気持ち、伝えられるのかな。  その日の放課後。昇降口で長瀬を見つけた。声をかけようとしたけど、その隣には西大寺君がいた。そのせいで、戸惑っていると、向こうから発見されてしまった。 「おっ、佐倉じゃん。今、帰り?」 「うん。そうじゃないとこんなところで会わないでしょ」 「まあ、そうか。そうだ、西大寺。知っているかもだけど、一応紹介しとくよ」 そう言って、私を指さす。
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