プロローグ

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わたしには物心がついた頃からライバルがいた。 住んでいる県と名前しか知らない人。 絵を描くのが好きだったわたし。 夏休みになると、朝から晩まで絵を描き続け、絵画コンクールに手当たり次第に応募した。 地元のコンクールは全て特別賞がとれた。 でも、全国規模のコンクールだといつも次位だった 悔しかった。とっても悔しかった。 小学生になり、絵画以外の塾の模試でも彼は1位で、科学賞などの自由研究でも特賞をとってた。 彼に勝てないと思った。 でも負けたくなかった。 ライバルの君、 東京在住 黒崎 雷疾(くろさき らいと) わたしは、小学校を卒業する頃に決めた。 将来の夢よりも、彼に勝つ事だけを目標にした。 死ぬまでに1度でいいから、彼に勝ちたい。 わたしは 京都在住 白石 咲絵(しらいし さえ) 就職先で彼と宿命の対面を果たす。
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