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暖かな日差しと穏やかな潮風の日だった。
もっとも、そんな心地よさを感じる余裕は今の僕にはない。額に汗をにじませながら、僕は爆発物の解除を確認した。
「――完了」
「おつかれー」
先輩のアリサにぽんと頭を撫でられ、緊張の糸が切れた。僕は力なく笑い返した。
こういう現場での作業はいつもよりさらに気力を使う。
沿岸警備隊の科学捜査班に入って僕はまだ一年にも満たない。一応、爆発物処理班に所属しているが、主な仕事は調査で採取された水質調査などの科学的解析だ。その上、いつもはアリサが処理を行っている。
時々僕がメインで解体するのだがなかなか慣れない。緊張感と残暑の強い日差しで汗絶え間なく流れる。
顔を上げ、保護眼鏡を取る。とほとんど同時に突風が抜けた。風に煽られ手の中から眼鏡が飛んでいく。僕は慌ててその先を追った。
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