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結城は
『何かを見落としてるんだろうな。』
中瀬は窓から外を眺めると
『何だか曇ってきたよ。』
結城も窓を眺め
『今日は夜から雨が降るって天気予報で言ってたよ。』
中瀬は
『洗濯物を干してきちゃったからさ。』
結城は周りを見渡し
『今日もトリックがわかりそうもないから帰ろうか………』
中瀬は
『うん、帰ろう。』
『お前らまだ居たのか~?』
結城は声の聞こえた方を見ると大原が居た。
結城は
『大原先生、こんにちは。』
中瀬も大原に
『先生、こんにちは。いつもお世話になってます。』
大原は笑って
『早く帰れ~。華蓮ちゃんが待ってるぞ~。』
結城は笑顔で
『華蓮の笑顔が凄く可愛いんですよ~。先生も見に来て下さいよ~。』
大原は笑って
『結城~、鼻の下が伸びてるぞ~。』
結城は
『それだけ可愛いって事で。』
中瀬は
『結城君は華蓮ちゃんの話しになると、いつもこんな感じになっちゃうんですよ~。』
大原は
『大事に育てろよ~。』
結城は
『はい、ありがとうございます。十数年後、この学校に入学したら先生よろしくお願いします。』
大原は笑って
『俺や相川先生が居たらな。そうだ、今日は俺当直だから何かあれば、俺に連絡すれば真夜中でも学校に来ても良いからな。』
結城は
『ありがとうございます。』
中瀬も大原に
『ありがとうございます。』
結城は
『そろそろ自分らは失礼します。』
大原は
『気をつけて帰れよ~。』
結城と中瀬は鴨川潮騒高校を出た。
鴨川市街から加茂川橋を渡り、道路二本目を左折して太海に抜ける海沿いの道路から太海の事務所に向かう途中中瀬は窓の外を眺め
『すぐに雨が降ってきそうな雲行きだね。』
結城は
『居酒屋大将から帰ってくるまで降ってほしくないけど、傘持って行くしかないかな。』
中瀬は
『傘持って行く方が無難だよ。って、ついに雨が降ってきたよ。』
結城は
『ついに降ってきたか。帰ったら居酒屋大将に行ってもう一度防犯カメラでも確認しようかな。』
中瀬は
『私も一緒に確認する~。』
結城は
『何か見落としてる事がわかればな………車を置いてから居酒屋大将に行って防犯カメラの映像を確認しよう。』
中瀬は
『りょーかーい。』
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