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居酒屋大将
結城と中瀬は防犯カメラの映像を確認していると
『俺にも見せてよ。』
野間口が部屋に入って来た。
結城は
『一緒に見ようぜぃ。』
野間口は
『めぼしい物は映ってたの?』
中瀬は
『それが~、映ってないんだ~。』
野間口は
『そんな事もあるよな。』
事務仕事をしていた敬子は華蓮を抱っこしながら部屋に入って来て
『純君、雨が降ってるけど家に帰るの?』
結城は
『家に帰るよ。華蓮、今日も可愛いな~。』
華蓮の手を軽くくすぐると華蓮は笑顔で
『ダァーダァー………』
敬子は
『でも、外は雨が降ってるし………』
結城は笑顔で
『傘を差して行くから大丈夫だよ。』
越智が部屋に入って来て
『敬子さんは結城君の事が心配なんだよ。』
結城は
『俺は大丈夫さ。』
越智は野間口を見て結城に
『あのね、私も初めてここまで好きになった人が出来たよ。この状況で今の敬子さんの気持ちが凄いわかるの。野間口君が結城君の立場なら、私は心配で夜も眠れないよ。結城君、今の敬子さんの気持ちわかってるの?』
敬子は
『越智さん、私は大丈夫だから………』
越智は
『敬子さん、それこそ私を止めないで………こんな時こそ言わせてよ。結城君、敬子さんが凄い可哀想だよ。昨日、狙われて、それでも単独捜査して………で、一番危険な自宅に戻るって………敬子さんがどれだけ心配してるかわかってるの?』
結城は越智に背中を向け
『越智さんに怒られるのは久々だな。高校生の頃以来かな。敬子の気持ちは痛いほどわかってる………だけど、あの会社は敬子と二人で苦楽を共にして今の今まで守ってきた会社なんだよ。だから死守しなきゃいけないんだよ。』
敬子は
『純君、私は信じてるからね………』
結城は
『敬子、越智さん、ごめんね………』
越智は
『敬子さんを一人にしたら私は許さないからね。わかった?』
結城は
『わかった………』
今降っている雨はどんどん強くなり、明け方まで雨は強く降っていた。
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