第5章 戦う覚悟

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第5章 戦う覚悟

波風グループ 「なあ、俺思うんだけど他の奴らも仲間にした方が、良いんじゃないんか?」 波風は、疑問をぶつけた。 里山等と別れた後、物陰に隠れながら波風等は波風の親が営む剣道道場に向かっていた。まずは、ゾンビに対抗する為に武器が必要だった。鍋の蓋では、二人を守ることが出来ない。波風の父は趣味で真剣を集めており、波風自身も真剣を扱ったことがある。真剣さえあれば剣道をしている波風と里山は、ゾンビにある程度対抗することが出来る。 「そうだね。私もそう思うけど、こんな状況じゃどれが正しいかなんて判断出来ないと思う」 十坂は俯きながら言う。 野上が続けて言う。 「それに、みんながゾンビに見つからないように隠れているならそう簡単には見つからないと思うぞ」 「...そうか」 波風は、何を言えば良いのか分からなかった。 そんな会話をしているうちに「信名道場」と書かれたでかい看板があった。波風の親が、営む道場の名前だ。ここに来るまでに何体ものゾンビを見たが夜に比べると動きが鈍かったので無事着くことが出来た。波風達は、門の裏口から庭に入った。 「やっと着いた。あの小さな倉庫の中に真剣があるからここで待っててくれ」 波風はそう言い、十坂達を縁側の下に隠して倉庫に向かった。 倉庫の中には、木箱の中に入った真剣が数個あった。 「親父まじでナイス」 数個あるうちの二本を木箱から取り出し一本を腰にさした。もう一本は里山用だ。里山も「信名道場」の門下生で腕は波風と互角だ。 「これで、あいつの首に一歩近づいた。待ってろよ光一」 波風は、復讐の念を漂わせていた。
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