第2章 白い立方体

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第2章 白い立方体

9月20日 転校生の天野晃大が来てからはや二週間が経った。 天野と市川が気が合い転校初日の二日後には遊ぶようになった。そして、一週間前の8月25日には南伸宏の誕生日パーティーがあった。 8月25日 16時32分 「ノブ、誕生日おめでとう」 波風等が一斉にお祝いメッセージを送る。 「俺はいらないって言ったのに」 南は不承不承と言うが、内心嬉しいのか声が少し裏返った。 「嬉しいくせに。はい、これみんなからのプレゼント」 十坂の明るく可愛らしい声で言う。 「なんか、ありがとう」 素直になれない南。 そんな、南をみんなでからかった。最初は、緊張していた天野も徐々に馴染んできた。 「俺も誘ってくれてありがとう」 照れ臭く言う天野。 「いいって、いっぱいいた方が楽しいもんね」 市川が、みんなの気持ちを代弁して言う。 それからは、みんなでテレビゲームやボードゲームをして遊んだ。そんな、楽しい時間もあっという間に過ぎ気が付けば21時を回っていた。 「じゃあまた明日ね」 十坂がそう言うと、南の家を後にした。 それから、一週間後、9月20日波風等は目が覚めると 全面白い部屋に閉じ込められていた。後から聞いた話だがそれは、白い立方体だったようだ。意識が朦朧とする中、塔の上に天野らしき人物が見えた。そして、周りには十坂や里山などだけではなく、波風の通う学校の教職員と生徒も倒れていた。だが、市川の姿だけが見えない。 ~数分後~ 「みんな、目を覚ましたかい?」 塔の上にいた天野が喋り出した。 「これは、ゲームだ!君達の首に付いているのは小型爆弾だ」 突然、天野が今までに聞いたことのない口調で話し出した。波風だけではなく、他の人達もパニックになっていた。それに対して、「ここから出せ」、「爆弾とか舐めてんのか?」と言った言葉が飛び交う。 「はいはい、静粛に。ここから出るにはあるゲームをクリアしない事には出れません。そして、爆弾は本物です。前のスクロールを観てください」 天野の言葉でみんながスクロールを観た。 そこに、映っていたのは市川の姿だった。 「光一!」 波風が叫ぶ。 「司なの?ここどこなの?どこにいるの?」 市川が焦りながら周りを見回しながら震えた声で言う。 「市川光一君に、良く注目してください。」 そう言うと、天野はポケットに入れてあったボタンを押した。
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