キラキラ夢の中

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 部屋の机の前で、彼はずっとうんうん唸っている。そんなに難しいのかな? A:「なんかわかんないところあったら言ってね~♪」 B:「まだ課題を見てすらないやつに言われる台詞じゃないよな、それ……? うぅ、容赦しないからな! がっつり訊くから覚悟しとけよ!」 A:「おっけー」 B:「ん、えっと……、『ぞ』の後は……」 A:「れーんたーいしー♪」 B:「あっ、答え言うなよ!?」 A:「だって、早く遊びたいんだもん」 B:「う、やってもないやつに言われるとは……」 A:「んー、そっか……。じゃあジムからメッセージ来てるし、ちょっと遊ぼっかなぁ……」 B:「あ、このyに代入するの何かわかんないな、ちょっと見てくれないか?」 A:「えぇ~? もうしょうがないなぁ、どれどれ? えっと、これはね?」  本当は数学得意なくせに。  なんていう余計なことは、絶対に言わない。たぶん彼はわたしのにやけた顔を曇らせようと強い言葉を投げつけてくるだろうし、わたしだってそんなに強くないし。  照れさせようとして照れ隠しの言葉に傷付くなんて、ただのめんどくさい子になってしまう。それはさすがにいやだし。   なんだかんだでわたしを頼ってくれるのも嬉しいし♪  あと、こういう気持ち(、、、、、、、)がわたしだけじゃないんだな、って思えるのも、なんだか心が満たされるようで気持ちいい。  とにかく、彼の近くにいるとこういう「気持ちいい」がたくさんあるのだ。うきうきするし、満たされるし。  そして今日も。 A:「あぁ~、楽しかった!」 B:「僕は疲れたよ……、ほんと自由というか奔放というか、どうして辺り構わずお菓子をせびろうっていう発想になるんだ?」 A:「え、だってほら、今日は……なんの日かな?」 B:「知るかーっ!」 A:「えぇ~? ほんとに~?」  まぁ、わかりっこないのはわかってるけどね。  今日は、初めてあなたを好きだって思った日。  わたしには特別だけど、あなたには普通の日。 B:「明日も学校なんだから、早く寝ろよ?」 A:「むぅ……。手を繋いでくれたら寝られそうかな?」  仕方なさそうに、でもちゃんと手を繋いでくれているところとか、ね。 B:「おやすみ、早く寝付けよ?」 A:「おやすみ、兄さん」  血は水よりも濃い。  なら、この想いも他の誰よりも――
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