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A:「ねぇ、帰ったら何しよっか?」
B:「帰ったら? うーん、まずは学校の課題やんなきゃじゃね? それから……」
A:「えぇ~、つまんないつまんない! せっかくいつもよりちょっと早く終わったんだから、いっぱい遊びたい遊びたーい!!」
B:「いや、お前はそれで課題もパパッと済ませられるかも知れないけど、僕はそうもいかないんだよ。早く始めないと提出が間に合わない。あーあ、その頭がちょっとでも僕にあったらなぁ~」
A:「えぇー、でもそっか、あの先生、課題やって来なかった子には厳しいもんね」
B:「厳し過ぎるだろ、あんなの理不尽だ! あんなに怖くちゃ、学校に来る気なんてなくなるよ!」
A:「ふふっ、なんかちっちゃい子みたいなこと言ってる~」
B:「ぼ、僕たちは同い年だ! 別にちっちゃくない!」
そう言うと、彼はちょっとプリプリして先を歩き始めてしまった。うーん、そういうところも可愛らしいけど、たぶん何分かしたら恥ずかしくなって戻ってきて、ちょっとだけぎこちなく優しくなって一緒に歩くんだろうなぁ……。
B:「お、おい。寒いだろ、手繋ぐぞ」
……ほら、やっぱり♪
A:「えっ、いいの!?」
B:「いいよ、別に」
A:「ありがとう♪ ……手、あったかいね」
B:「――――っ! ん、ごほん、ほんと、女子ってなんでそんな手冷たいんだろうな、母さんとか、委員長とかもそうだけど、」
A:「わ! わたしの手が冷たいのは、こうやってあっためてくれる人がいるからだよ?」
B:「え、あ、あぁ……あっそ! あぁ、そういや今日ジェし、」
A:「あっ、見て見て! あそこにいるのってジムじゃない!?」
B:「え、あ、ほんとにジムだ。あいつ、またあんなことして……!」
A:「でも、かっこいいよね……、そう思わない?」
B:「ふ、ふーん、そうか? あいつの、大体僕の真似だけどな!」
A:「へぇ~?」
B:「あ、疑ってるな? だったら、」
A:「別に~?」
B:「ん、なんか機嫌よくなった?」
A:「悪かったの、わたし?」
B:「ん、なんとなく」
A:「そっか、そっか……!」
わかってくれたんだね。
A:「じゃ、帰ろ!」
B:「もう帰ってるだろ?」
A:「いいの、帰ろ帰ろ~♪」
今日は素敵な日だ。
夕暮れ空と、その向こうの月がとても綺麗。
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