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「・・・はい?」
何言ってんだこいつ。失くしたもの?何故俺が?たくさんの疑問がぐるぐると頭を回る。
するとその人は真面目な表情から一転、少し眉を下げ、顔の前で両手を合わせながら、
「おねがいします!ほんっとーに大切なものだったの!・・・えーと、多分・・・?」
と、再度俺に手伝いを頼んだ。
・・・この人、ツッコミどころが多すぎる。まず、多分ってなんだよ。大切なもの忘れちゃダメだろ。てか、忘れるってことはそこまで大切なものじゃないんじゃないか?
しかも、たまたま今初めて会って、たまたま助けただけの、たまたま通りかかっただけの奴にそれいきなり頼むか?
そして男だぞ、男。初めて会った男と二人旅とか危険すぎるだろ。いや、俺はそんな気全くないし、まず旅に出るつもりもないけど、変なこと考えてる奴だっているよな。
・・・いや、待てよ?まさかそれも理解した上で頼んでるのか?あれか?出会い的なものを求めてるのか?
・・・駄目だ、キリがない。この人、一体何考えてるんだ・・・
「あ!名前言ってなかった!・・・えー、コホン。私はアリシア!アリシア・ルフー・ファルセダー!よろしく!」
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