出会い

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「待っててミラーク!私が助ける!」  するとアリシアは慣れた手つきで腰あたりに手を伸ばし、さっと何かを引き抜いた。  剣だ。それは銀色に輝いていて、陽の光に当たって一層煌びやかに見えた。  そこまでは普通だった。剣なんて誰が持っていてもおかしくないからだ。たとえ騎士や剣士じゃなくたって、護身用に持っている人はたくさんいる。俺だってそうだ。  ・・・でも、普通じゃなかった。アリシアが銀色の剣を構えると、それは金色の光を纏った。まるで太陽を味方につけたかのような、暖かく、でも力強い光だった。  この世界には魔法というものがある。人には生まれた時から魔力とかいうものが備わってるらしい。でも、人が持ち合わせる魔力なんて、取るに足りないものなので、まず魔法を使う人は滅多にいない。  ・・・でも、たまに例外がいる。  色々あるが、一番多いのはその魔力を増幅させ、それを変換して魔法として扱う人・・・俗に、魔法使いと呼ばれる人がいる。しかし、体力も気力も使うので、魔法使いは世界に数百人しかいないらしい。  もしかしたら俺は、その数百人に会ってしまったのかもしれない。
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