出会い

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 ふう、と一呼吸ついたところまでは見えた。  そして、俺が瞬きをした瞬間、重く金属音が響いた。気がつけばグチャ、という不快な音が聞こえ、俺の右手が自由になった。  そう、アリシアが俺の手を掴んでいたドロドロしたものを切り裂いたのだ。それを理解するのに数秒かかった。  俺は呆然として、ただアリシアをじっと見つめた。するとそいつは焦った様子で、 「早く手を出して!もしかしたら再生するかもしれない!」 と、手を伸ばした。俺はその手を掴んだ。アリシアがなんとか引っ張り出してくれたので、引き込まれずにすんだ。何とか俺は死なずに済んだようだ。 「あああぁぁ、成功して良かったよおぉ・・・」  そしてどうやらそいつは相当緊張していたらしく、声がすごく震えていた。・・・あんな力を使えるのは、やっぱり当たり前じゃないのだろう。だとしたら、一体こいつは・・・ 「・・・あ!大丈夫!?」  アリシアは目をカッと見開き、俺にずいっと迫ってきた。顔が近い近い・・・ 「あ、ああ・・・ありがとう・・・」  とりあえず、礼を言った。  ・・・さて、良かった。これで事態は解決・・・と思っていた。 「じゃあ、私の失くしたもの、一緒に捜してくれない?」
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