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「・・・は?」
何言ってんだこいつ。ていうか、似たようなやりとりさっきもしたよな。
「あの、だから・・・」
「だってミラーク!何かしらで助けたら考えるって言ったよね?」
何かしらで、助ける・・・?ああ、そういえばそんなことを言ったような・・・いや、言ったようなじゃない。絶対言った。俺の馬鹿。絶対に助けることなんて起きないと思っていたから、つい口を滑らせてしまった。言葉を慎重に選ぶことって、大切だな。
さて、どうしよう。アリシアはこちらをじーっと見ながら、目をキラキラ輝かせている。まるで『来てくれるよね?』と聞かれているみたいだ。きっと、ここで無理と言ってもこいつはついてくるだろう。だったら・・・
「はぁ・・・わかった、手伝います。」
「やったぁー!!」
そいつは待ってましたと言わんばかりに両手を挙げた。すごく喜んでいる様子だ。そんなに嬉しかったのか。
「ありがと、ありがとう!本当ありがとう!!」
アリシアは俺の手を両手でぎゅっと握りながら何度も感謝の言葉を言った。うん、半強制だった気がするけどな。というツッコミは心の中にしまっておいた。
さて、これからどんなことが起こるのかは俺は、いや、アリシアもきっとわからない。危険なことにはできるだけ首を突っ込みたくなかったが、まるで抜け殻のような日々を送っていた俺に両親から試練を与えられたのかもしれない、そう思えば、なんとかやっていけそうだ。まあ、そんなことはありえないが。
俺の真っ白な日々は、突然に濃く色づき始めてしまった。
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