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カッパちゃんとは何度か、ペットセンターに行ったことがあった。インコにバカだとかトンマという言葉を教え叱られたりした。カッパちゃんは、他で飼ったばかりのまだ小さなカメレオンをみせびらかすように持っていった。ちょうどペットセンターにはリスザルが来てたりしていた。ちょうど先月号の「科学」にアフリカのリスザルの生態を撮った写真がのっており、------こんなに早く実物が見られるとは思ってもいなかったのだ。リスザルはちょこんとすわりこんでいた。リスザルは、こっちを向いたり、僕たちを興味ありげにギョロギュロと見ていたかと思うと、向こうをたたいたり、僕らそいつの動きをじっと見ていた。カッパちゃんは自分のもっていたカメレオンをオリの金具リスザルとあそばせようとでもしていたのだろう。サッとリスザルがカメレオンをうばいとりパクパクとたべてしまった。カッパちゃんはびっくりとし、ぼうぜんとリスザルを見ていた。
ペットセンターの主人は笑いながら、「五百円位しただろう」笑って言った。いやむしろ悪いのはカッパちゃんなのかから。
このペットセンターで、僕は十娘妹のつがひを買った。動物好きのカッパちゃんの影響だった。母親はどの親でも言うように「責任を持って飼え」と言った。
そして又、たいていの子供のように、そつつがいに関して僕は無責任になった。
エサもはじめはものめずらしさから、あげていたが、後からだんだんわすれていき、母にあたえさせる結果になった。しかし母も気付いたらやるといったことだった。僕がエサをやっているものとして見ていたのだ。
たびたび、十娘妹はタマゴを産んだが、十姉妹はすぐに卵を食べてしまった。巣に卵の黄みが、へばりついていた。何回かそんなことがあった、ある日、母にお客さんが来ていた、その小母さんは僕を「だめじゃない下におちて今にも死にそうだったわよ」と叱った。その時、ぼくはすまなさでいっぱいになりこれからはちゃんとやろうと思ったが、けっきょく世話などせず、とうとう十姉妹を殺してしまった。
僕は泣いた、すまなさでいっぱいだった.
十娘妹は川に菓子箱に乗せて流してやった。
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