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ゴミも思いもお持ち帰り
今日の早朝に降り終えた白い雪の中を二つの足跡がバラバラだけど、同じ方角を目指して並んでいる。そう、私(A)と彼(B)の足跡である。近くの売店で買ってくれたケチャップのかかったソーセージパンを口にした私は思いのまま口にしてみる。
A:「んー、おいしい」
B:「こんなんでよかったのか?もっと高い物でもよかったのに」
A:「思いは金の価値では買えないでしょ?」
思いのまま言葉がまた出てしまった。恥ずかしくて彼の顔が見れずに前を向いてしまう。
B:「……えっ?なんか言った?」
A:「いや、別に何も。ただその……ありがとう」
B:「どういたしまして。あっ、そうだ。食べたゴミはポイ捨てするなよ?たとえ雪の中に隠れるだろうとか思うかもしれないけど、君が言ったようにそれこそ思いは何の価値にもならないからね」
A:「……聞こえてるじゃん……このバカっ……」
私は赤面してひたすら目の前を急ぎ足で歩く。頭から煙が出てしまいそうである。
B:「ちょっと待ってよ……そんなに急ぐと君の赤くなった顔にケチャップが付いちゃうよ?」
A:「……」
B:「そのケチャップ、笑わずに黙って拭いてあげるから止まって……」
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