ゴミも思いもお持ち帰り

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 私は止まって後ろを振り返る。そしてパンを持たない片手を後ろに差し伸べる。 A:「寒いから私の手をつないで欲しいな……なんて言わなくてももう分かるでしょ?」 B:「あぁ。でもその前に拭かせて欲しいかな」 A:「何を?」 B:「君の涙を。知ってるからね、寒いと涙が出ちゃうのを……」 A:「……自分で拭くよ」 B:「んじゃ、そういうわけでそれもプレゼント。欲しがってたよね、そのハンカチ」  彼の言う通りにそのハンカチはこの前のデートで彼に欲しいって言ってた物である。確かあの時、彼は財布を忘れて買えなくてそれでなぜか私は怒っちゃって帰ってしまったんだっけかな。私としてはそんなことをすっかり忘れてたのに彼はものすごく気にしてたんだろう。なかなかデートの誘いもないから嫌われたのかもしれないと思ってた私はバカだった。でもそれならそうと言わない彼を今の私は許さない。どうしても許して欲しいのなら……。 A:「ありがとう。んっ……」 B:「これで許してくれる?」  強い彼の意志が私の肌に触れる。ただ同じ体の部位であるのに自分でやるのとこんなに違うとは……。 A:「許す」 B:「よかった。じゃ、行こうか」     
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