猫って

1/1
前へ
/1ページ
次へ

猫って

家に帰ると、ペットの三毛猫がストーブの前で寝ていた。 それも、あおむけで口元がだらしなくゆるみ、目もたれるほどに全身でとけていた。 そっと近づき、猫のおなかをつつくように撫でてみた。ピクッとしたが起きない、次に指先だけで少し揉むように撫でた、ウザったそうに目を開け睨まれた。ごめんの気持ちを込め手のひら全体でおなかをゆっくり撫で、離れた。 そこで、ふと夏にもとけているなと思ったが、夏のとけ方が部屋に置きっぱなしにしたアイスだとすると、冬は、焼き立てのトースターの温かさだけでゆっくりと溶けてゆくバターのように見える。 そう思おうと途端に美味しそうに見え、またおなかをつついてみた。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加