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教室に引き返し、自身の傘を取ると、彼女の背中に声をかける。名前的要素が3つもあるので、どれか悩んだが、とりあえず苗字を選択、
「長守さん!」
と声をかけた。振り向いた彼女に精一杯の笑顔を見せ(初会話の人には超有効と定評のある
“1万円くらいの笑顔”を素早く展開)
「長守さん、傘貸してあげる。私、この後、部活で、友達の傘に入れてもらうから~、
いわゆる、とも傘、だから大丈夫!大丈夫~♪」
こちらの声に振り返った長守(以下、ゴメスと明記)は自分より頭一つ分小さいみなみを
見つめ、しばし視点を固定する。
(あ、いきなりで驚いちゃったかな?まぁ、会話したの初めてだし…)
そう思うこちらの杞憂は、続けて見せてくれた彼女のニッコリ笑顔で解消される。問題は
そこから…ニコニコ笑うゴメスに自身の体が軽々と抱え上げられ、開いた傘ごと、彼女に持っていかれる事だった。
「あの…長守さん?」
「ゴメスでいいヨ?みなみ~、アリガト。アリガトです!」
「ゴメ…?えっ、ゴメちゃん?ゴメちゃんでいい?私、部活あるから、傘貸すよ
(というより、同級生に傘と同じ備品みたいに抱っこされているのが、非常に恥ずかしい)」
「ダイジョウブ、ダイジョウブ、駅まで送ってくれれば、後はムカエ来ます。だから、
一緒に!送って下サ~イ!」
「それなら、ゴメちゃんが傘持って、私歩くのが効率的だし、
そもそも、これ恥ずかしいよー」
みなみの懇願を、彼女の頭に顎を乗せ、ゴロゴロ喉を鳴らすゴメスは終始笑顔で何も答えず、そのまま歩き始める。やんわりと相手の縛めから逃れようと体を動かすが、ガッチリと組み敷かれ、身動きはとれなかった。
雨の中、人通りこそ少ないが、同級生に“抱っこされ、傘をさして下校”という非常に
恥ずかしい状況が作り出されていく。幸いな事に、雨で人通りは少なく、下校ラッシュは
等に過ぎているし、同級生に合う可能性もない。
だけど、根本的恥ずかしさに変わりない。顔を真っ赤にしてうつむくみなみを楽しそうに
眺めているだけのゴメスだったが、その内、抱きしめている腕を上手に動かし、
胸やお尻などの敏感な部分を摩ったり、揉んだりを始める。やがて、そのむず痒さが
感度に高まっていき、
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