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「あ、あぁんっ、あっ…ゴメン(なぜか謝ってしまう)あ、あのゴメちゃん?やっぱり
下して…」
「ウッゥ~~ン?ど~したノ~?(腕の締め付けが少し強くなる)」
「あ、あうぅっ…えっと、な、何でもないです。」
思わず恥ずかしい声を出してしまった事に何故か謝ってしまう。ついでに、こちらのお願いも流れで却下されてしまった事に気づく。というか自分から取り下げてしまっている?
もはや、この状態を維持したまま、駅まで歩いていくしかない。
(多分、移動とかで、体が揺れているだけ。擦れてるだけだから…)
目をつぶって懸命に悩ましげなさすり?愛撫に耐える。
学校から駅までは徒歩にして10分、正門を出て、土手に沿って、歩き、小さい川を跨ぐ、
小さな橋を渡って、次はパン屋の看板…そのまま真っ直ぐ歩けば駅に着く…今はどの辺だろう?うっすら目を開け、色々気づく。
「あ、あのゴメちゃん?」
「ウッゥ~~ン?」
「何で、校庭グルグル回ってるの?」
「アッ!?ウッカリ~デ~した~」
テヘっと舌を出したゴメスが瞳をくりくりさせながら、笑う。まるでイタズラを見つかった
子供のようだ。思わず、“コイツゥ~”な場面だが、
そんなニコニコ彼女の後ろに、雨で練習が出来ない野球部、サッカー部、陸上部、その他もろもろの運動部がこちらを見つめている事に気づき、
全身に“ボッ”と火がついたような感情の爆発が起きる。
彼等の表情を見れば、おおよそ察せられた。
(まさか、さっきからずっと…)
抱えられたまま、歩いていたようである。慌てて、降りようとするが、もがこうにもガッチリ体を抑えられ、一切の動きがとれない。
「あの、ゴメちゃん、もう下して、お願い。ゴメちゃん、ゴメさぁん!!」
「ウッゥ~~ン?」
駄々っ子のように叫ぶが、ゴメスは一向に抱っこを解除してくれない。
やがて、その行動すらも自分を陥れる事に気づき、力尽き、されるがままになっていく。
そんなグッタリなみなみを抱え、ひとしきり容赦ない愛撫と羞恥の散歩を楽しんだゴメスが駅につき“堪能しまスた”的、満足顔でみなみを解放した時、雨は止んでいた…
次の日から、徐々にだが、みなみの生活にゴメスが関わってきた。最初は少しづつ、
みなみの友達付き合いに影響の出ない程度の接触。しかし、その度合いは上がっていき…
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