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あめ
人里を少し離れた森の中、一際は大きな木があるその根元を覗くとウサギの巣穴がある。
そこを雨の日に「あめよあめ」と唱えながら入っていくと、目の前にとても大きく澄んだ湖が現れる。雨の日にしか行けない特別な場所だ。その湖に降る雨はまわりの雨粒よりもだいぶ大きく、湖を覗くと底にコロコロとしたものが見える、すくい上げるとキラキラした大玉の飴玉がある。黄色、桃色、水色、紫、緑、といろんな色がありその飴を両手に乗るくらいのビンに詰め、森に戻り人里へ行き飴を売る。
人里では私からしか買えない特別な飴として人気がある。どこかの領主が自分のためだけに売れと言われたがなぜだか独占したり、傲慢な考えをする人間にはこの飴の味がわからないと言う。
人里の人間からは口の中でゆっくり甘くと溶け、しかしながらきゅんとすっぱく爽やかなのが良いと評判だ。一方で、傲慢な人間には、無味、鉄の味がする、土っぽい味がするとさまざまだがいかんせんどれもまずいと言われた。
さて、なぜそんな飴を私が知っているかというと・・・私が魔女であり、偶然にも森の守り神の気まぐれで選ばれたというだけなのだが、しかし、私が飴を売ることに関しては私の師匠がやっていたのを真似をしたためだが、人間に受け入れられてとてもうれしく思っている。
私が魔女であることは知られてはいけないが不思議な行商さんとして親しまれている。ここ最近は、もっと喜ばれるように飴玉を使い新たなお菓子を開発中だ、甘くとけるようなお菓子にしたいと思っている。では、これから研究をする さようなら。
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