秘密の三重奏(トリオ)

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「ナオキが生まれてから俺は、お前の勧めで生命保険に入ったよな?」 「・・・それの何がいけないの?」 「いや、別に悪くない。確か、高校の同級生のメグミが保険の営業をしているんだな」 「・・・そうよ」 「メグミは、今でもヒロユキと付き合っている」 「!!!」 「お前は、それを知っていたか?」 「・・・」 「・・・まぁ、どちらでもいい。話を戻す」 「・・・」 「俺は、人一番健康には気を付けている事を知っているよな?」 「・・・えぇ」 「酒にタバコは、一切しない男だ。特段の趣味もない。貯金が唯一の趣味と言えば聞こえは良いだろう。適度な運動に適度な睡眠を心がけている」 「・・・何が言いたいの?」 「そんな、俺が病気になる事は一切考えられない」 「・・・フッフッフッ」 「・・・何が可笑しい?」 「どんなに健康に気をつかっている人間でも、病気になるリスクはあるわ」 「・・・そうだな」 「そうよ、それで何が言いたいの?」 「不自然な成分が入った食事を食さなければ特にな・・・」 「・・・」 「お前が俺に作った仕事場に持っていく弁当を調べたんだ。複数回に分けてな」 「・・・」 「俺の大好きな、玉子焼き・・・」 「!!!」 「この弁当にも入っている、玉子焼きだ」 「・・・」 「知り合いに物好きなやつがいてさ。玉子焼きを調べたら、不自然な成分が入っていたんだとさ・・・決して普通に作っていたら混入しない且つ、定期的に摂取していると、人間の体には有毒な成分・・・」 「そんな事、よく言えるわね」 「・・・この玉子焼きを知り合いに持っていけば、すぐにわかることだ」 「!!!」 「どうした?持っていって調べてみるか?」 「・・・」 「少しずつ、少しずつ時間をかけて、俺の体を弱らせようとしたんじゃないのか?」 「・・・あなたって人は・・・」
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