19人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「ナオキが生まれてから俺は、お前の勧めで生命保険に入ったよな?」
「・・・それの何がいけないの?」
「いや、別に悪くない。確か、高校の同級生のメグミが保険の営業をしているんだな」
「・・・そうよ」
「メグミは、今でもヒロユキと付き合っている」
「!!!」
「お前は、それを知っていたか?」
「・・・」
「・・・まぁ、どちらでもいい。話を戻す」
「・・・」
「俺は、人一番健康には気を付けている事を知っているよな?」
「・・・えぇ」
「酒にタバコは、一切しない男だ。特段の趣味もない。貯金が唯一の趣味と言えば聞こえは良いだろう。適度な運動に適度な睡眠を心がけている」
「・・・何が言いたいの?」
「そんな、俺が病気になる事は一切考えられない」
「・・・フッフッフッ」
「・・・何が可笑しい?」
「どんなに健康に気をつかっている人間でも、病気になるリスクはあるわ」
「・・・そうだな」
「そうよ、それで何が言いたいの?」
「不自然な成分が入った食事を食さなければ特にな・・・」
「・・・」
「お前が俺に作った仕事場に持っていく弁当を調べたんだ。複数回に分けてな」
「・・・」
「俺の大好きな、玉子焼き・・・」
「!!!」
「この弁当にも入っている、玉子焼きだ」
「・・・」
「知り合いに物好きなやつがいてさ。玉子焼きを調べたら、不自然な成分が入っていたんだとさ・・・決して普通に作っていたら混入しない且つ、定期的に摂取していると、人間の体には有毒な成分・・・」
「そんな事、よく言えるわね」
「・・・この玉子焼きを知り合いに持っていけば、すぐにわかることだ」
「!!!」
「どうした?持っていって調べてみるか?」
「・・・」
「少しずつ、少しずつ時間をかけて、俺の体を弱らせようとしたんじゃないのか?」
「・・・あなたって人は・・・」
最初のコメントを投稿しよう!