第1話 ボブ、あらわる

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× × ×     〇通学路・歩道(朝)    両手で頭を押さえ、ボブが人目につかないよう 猫背で歩くおかっぱちゃん。 ボブはそんなおかっぱちゃんにお構いなく、 頭上のモンシロチョウを目で追いかけている。 ボブ「ぼぶ~」    おかっぱちゃんの髪の毛で作った腕を伸ばし、 モンシロチョウを掴もうとするボブ。 おかっぱちゃん「ちょっと!人のいるところでは止めて~!」    おかっぱちゃんは頭から伸びかけたボブの手を両手で押さえる。    一人バタバタしているおかっぱちゃんを通行人は不思議そうに眺める。    おかっぱちゃんの向こうから、友達のえりりん(10歳)がやってくる。 えりりん「相変わらず仲良しね!」    えりりんの声にドキッとし、ぴたっと動きを止めるおかっぱちゃん。    ボブを手で隠しながら、おかっぱちゃんはゆっくりと えりりんの方へ顔を振り返る。 小学生にしてはすらっとしているえりりんを、 おかっぱちゃんは見上げる。 おかっぱちゃん「え、えりりん」 えりりん「おっはよ!」    ボブがバレないように振舞うあまり、 おかっぱちゃんの動きは硬くてぎこちない。 おかっぱちゃん「オ、オハヨウゴザイマース」     
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