3人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話 ボブ、あらわる
○おかっぱちゃんの家(朝)
〇同・洗面所
洗面台。蛇口の水は流しっぱなしにされている。
子供用の踏み台に上るパジャマ姿のおかっぱちゃん(10歳)。
フェイスタオルを片手に、鏡に映る自分を見つめている。
洗顔し、濡れた顔を拭うことを忘れるほど、
おかっぱちゃんは何かに茫然としている。
鏡にはおかっぱちゃんの顔と、
おかっぱちゃんの黒黒とした椎茸のようなこけしヘアーが映る。
そのこけしヘアーには妖精ボブの目と鼻と口があり、
おかっぱちゃんに笑いかけている。
ボブ「ぼぶ!」
にっこりと笑い、おかっぱちゃんへ話しかけるボブ。
おかっぱちゃん「……へ?」
× × ×
タイトル「おかっぱボブ」
× × ×
〇おかっぱちゃんの家(朝)
〇同・おかっぱちゃんの部屋
おかっぱちゃんはパジャマから黒いワンピースに着替え、
部屋のドアを勢いよくバン!と開けて飛び出す。
頭にはフェイスタオルをターバンのように巻いている。
タオルに覆われたボブは息苦しそうに、もごもご蠢いている。
ドアは勢いのあまり反動で半開きになる。
おかっぱちゃんはドアの大きな音に驚き、
今度は両手を添え、そっと静かにドアを閉める。
気を取り直し、走って居間へ向かう。
最初のコメントを投稿しよう!