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 帳は急いでその小箱を掴むと、両手で天に向けて掲げた。  「やった!やったぞー!ぜーんぜんどこの誰かわかんないけど!でもいい!とうとう俺にも春が!春が来たぞー!」  『そして、そんなスイッチの中でもこちら。responsibility社のスイッチがほとんどなんですね。今までのチョコレートで例えるならば、スイッチ界のゴディバといったところでしょうか』  テレビから聞こえてくる内容を受けて、先程見た箱の蓋を再び確認する。   そこには確かに【responsibility】の文字が刻まれていた。  そういうことか!チョコレートでいうところのゴディバということは、それは最早、本命であろうことを考えずにはいられない。おいおい、バレンタインデーにゴディバもらっちゃったよ!スイッチだけど!  いやっほー!と叫びながら、帳はスイッチを何度も押す。部屋にはポチッ、ポチッと音が響き続けた。  翌日、バイト先のネットカフェで岡嶋と会った帳は、前日自分の身の上に起きたことを報告せずにはいられなかった。  「岡嶋さん、こんな事を言うのは大変偲びないのですが」  「なんだ、その入りは」     
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