百物語集団失踪事件

15話 死のピアノ

百物語集団失踪事件について、霧山爽太の記述

今回の十五話目の事件は、その後燃え尽きたピアノのなかから塩崎尚子それから幾人もの生徒がくの字に曲げられた遺体として発見された………。

司法解剖の結果、死因はショック死とされているが、詳しい原因はまだ判明していない………。
ただ、皆一様に一体どれだけ恐ろしい物をみたのかと思えるほどの形相をしていたのが気になるところだ。

今回の事件は、俺の不注意と言うべきかトウカに心配をかけてしまった。
あんなトウカの顔は初めて見たが、やはり子供の弱弱しい表情は胸を締め付けられてしまうな………。

しかしそれと同時にほんの一瞬、トウカに恐怖を覚えてしまった。

何故なら俺は見てしまったからだ。
トウカが鍵盤を踏みつけた瞬間、目は笑っていないのに口許が笑んでいたのを………

あの青白い炎と言い、トウカにはまだまだ問い詰めたい謎が多すぎる。

だが、今は目の前の事件解決の事だけを考えよう。
何故ならそれが刑事としての使命なのだから………。

15話目の事件、解決………