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百物語集団失踪事件について、霧山爽太の記述
十九話目の怪談については、その後周辺をくまなく捜査したところ、少女の物と思われるスニーカーを発見し、鑑識の結果それは投稿者である久木田楓の物と判明した。
更にトウカの協力によって、怨霊口池を調べてみれば驚いたことに底から多くの骨が出てきたのだ。
調べてみれば久木田楓の骨も発見されたが、更に他にも子供や大人といった古いものだと百年前に近い骨さえもあったのだ。
だが、それでも内川は発見されなかった………。
トウカ曰く、今頃消化されてるんじゃない?と言っていたが、恐らく言葉のままの意味なのだろう。
内川はあの日からスマホ一つだけを残し、未だ発見に至っていない。
つい先日、内川の親が怒鳴り込んできたが、サイバー課に所属している同僚がさんざん内川に辛酸を舐めさせられていたらしく、ここぞとばかりに内川の日頃の態度を記録した物を内川の親に見せて黙らせていたのは記憶に新しい………。
まあ、内川のほうはまた新たに内川の親が捜査本部を建てるらしいが、恐らく人員はそこまで裂けないだろうな………。
それよりも、俺には一つ気になっていることがある。
それは、あの日寺に行った際に住職がトウカを見て、あお………!と言いかけ青ざめたような、驚いたような表情をしていたのだ。
その後に続くであろう言葉は、トウカが住職を見てニッコリ笑えば口を噤んでしまったので聞けなかったが、住職は一体何と言いたかったのだろう………?
本当は後から聞こうと思ったが、それを察したトウカに答えは百話全て解決すれば分かるよと言われ、結局聞けずじまいになってしまった………。
まあ、いずれ分かるのなら今はまず目の前にある事件を解決していこう。
何故なら、それが刑事としての使命なのだから………。
十九話目の事件、解決………
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