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百物語集団失踪事件について、霧山爽太の記述
二十五話目の事件は、いくら戦時中とは言えども権力が民を虐げた痛ましい事件が、さらなる悲劇を生んでしまったと言っても過言ではない。
確かに戦時中この国は、特に軍人と言った力の強い人の意見と言うのは絶対で、それが例え戦争が終わり解放されても、彼女はずっと濡れ衣を着せられさぞ辛い生涯を送ったのだろう………。
ただ誕生日プレゼントを貰っただけなのに、当時の少女の悲痛な気持ちがきっと紫ババアと言った怪談を産み出してしまったのかもしれない………。
だが、簪を受け取った彼女は確かに、嬉しそうに笑っていた。
それがせめてもの救いになればいいと思う………。
そういえば、俺はあの時トウカに簪を探すように頼みはしたが、一体トウカはどうやって簪を見つけたのだろうか?
聞いても、見つけて掘っただけだというが、何十年前のしかもどこに埋まっていたかすら分からない物を一体どうやって………?
まあ、この謎も含めて俺は目の前の事件を解決していかなければならない。
何故なら、それが刑事としての使命なのだから………。
二十五話目の事件、解決………
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