2話 人面犬

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百物語における失踪事件について、霧山爽太の記述 二話目、人面犬の事件については誘拐された児童が犬と融合され、その後死亡するという結果で終わってしまった。 今回新たに、違法臓器売買ルートを見つけた功績はあったが、だからといって被害者の身体を全て取り戻せるわけではない。 とある刑事は人面犬を犬だと言っていたが、やはり俺には人としか思えない。 だって、確かにあの時人面犬にされた子供は泣きながらもハッキリ喋ったのだから………。 今回逮捕された職員からは新たに、人間の女性と犬を交配させて人面犬を産むという実験を行ったという証言も得た。 どこまでも腐った人間だと思ったが、そちらの件については別の刑事が担当してくれることになった。 そう言えば、またしてもトウカが妙な事を言っていた。 本物の人面犬を、あの職員達にけしかけてあげようか? そう言えば、人面犬って噛まれると噛まれた本人も人面犬になるという噂が幼少期に流行したが、まさかな………。 とにかく、今は目の前の事件を解決していくことだけを考えることとしよう。 それが俺の、刑事としての使命だからな………。 二話目の事件、解決………。
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