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文化祭の装飾のために来ている同じ制服も多い。
その店の創作コーナーの一角。
目に止まったもの。
造花作りのキット。
プラスチックでできた茎に、雄しべや雌しべ。
和紙の花弁。
なぜかはわからないが、それらを組み上げると、私の名前と同じ、椿のできる一式を購入していた。
そして、家に帰り一人卓上でそれを組んでいた。
こんなもの、誰に贈るでもないというのに。
週明け。音楽の授業。鑑賞。
近代ドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウス作『ツァラトゥストラかく語りき』。
ニーチェの同名の書物を音楽で表現したもので、映画『2001年宇宙の旅』の冒頭でカラヤンの指揮するこの曲が流れることで有名。
トランペットとティンパニのアンサンブル。
この映画は、地球外生命体の作った板状のコンピューター『モノリス』が、原始のヒトザルに知性を与え、文明を発達させた、というストーリー。
SFにありがちなこうした設定の金字塔を作ったとも言える映画だが、確かに人間もまた生物分類上はサル科の一種に過ぎない。
これは当の人間自身が分類したものだが、そのなまじな知性の生み出したものには、間違いや齟齬はたくさんあったと思う。
例えば、弱肉強食。
私でもわかる。
自然界にこんな原理はない。
生態系の頂点に立った生き物も死ねば最下層の生き物に食べられる。
一つの生命体が得たエネルギー分は等しくその生命活動によってこそ自然界に還される。これはどんな生き物でも全く変わりない。
あの生態系シミュレーションのプログラムを見るまでもなくわかること。
よって生態系の頂点を目指した生存競争なんてものも存在しない。
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