ex) 第一章 この世界

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「帰って来たぞー」 此処は現在の日本国の首都新横須賀だ。 セントラルシティといわれる都心部には今の所モンスターの侵入はないがちょっと都市を離れると荒野や山岳地帯となる。 十年前には住宅街や郊外の商業施設もあったがモンスターにより人々は都心部に避難した、現在の人口は東京、横浜は1500万人程度となっている。 それは空中移動用召喚獣ビッグバードが空中を飛び交う街。 近代の交通網が減衰する中で人々は巨大な鳥に乗り目的地に移動する。 人々がヘリコプターや飛行機を使ったらかっこうのモンスターの餌食になり墜落させられてしまう。 現在北の大神官討伐から帰還した男性勇者オルガン、神速の女剣士ニア、男性の大賢者ムーアのパレードが行われている。 男性勇者のヤマトも大神官を倒して戻って来た。 大神官とは大魔王の次に恐れられている人食いで魔法から魔術迄使い熟す人類の脅威だ。 人食いのモンスターが人間を食べて美味しいのだろうか? 一般的に草食動物である牛や豚などが好まれるだろう肉を食べて育つライオンやチータが美味しい事は皆無。 肉を主食とするモンスターは人間のその命、魂のよって満たされるのだ。 食物連鎖の頂点に立つ人間がモンスター達から好まれるのは数が多いからだ 勿論豚や豚も同様だが人間には魂がある そして二人の勇者が二人の大神官を討伐したのだ。 一般の人間では到底敵わなく人間を捕食する大神官。 盛り上がらない方がおかしい。 1万人を超える人数でのパレードに大歓声、それを一人の女性が覚えたての酒をやりながら見ている。 酒を飲んでる理由は酔うことで嫉妬を嫉妬の記憶を忘却する為だ。 因みに法律が改正され18歳からの飲酒は解禁される。 当然成人も18歳だ。 彼女は勇者の血を引くモンターク、3ヶ月前既に親の敵であるトロルを殺し敵討ちは済んでいる、いや同一ではなく同種なだけだから正確には敵を討ったとは言えない。 実際に親を殺したトロルは寿命で既に死んでいるだろう。 モンタークは自分の無能さを自覚しているせい(所為)か今一歩前に進めない。 しかし有能だからといって前に進めるかと言えばそうではない。 異世界で有能な人材が何をすればいいかは東大教授でも答えるのは難しいだろう そしてモンタークは理解しているのだ。 此処で言う一歩とは勇者オルガンの様な華やかなSTAGEに近づく為の一歩だ。 いや今のモンタークが大神官を倒しSTAGEに立つ為には100歩程必要だろう。 ソイ「無能勇者のモンタークさーん何見てるんですか?」 モンターク「パレード。別に無能勇者は否定しないけどね」 ティナ「覚えたての酒で嫉妬を消そうってかい魂胆見え見え」 モンターク「ソイにティナあんたらは本当に有能だよ」 この世界の日本では18歳で飲酒や喫煙が常識。 明確な目標何て必要ない、自分も何時か憧れの勇者オルガンの様になりたいだけだ。 このパレードを見る目的は己を奮い立たせ明日の何かにぶつけるといった事だ。 勇者オルガンは数多き冒険者の中では最強とも言われ軍の人間とも繋がりがある。それに超イケメンだ話題にならない方がおかしい モンターク自身も数少ない勇者の血筋を持っている為リーダーとして3人でパーティを組んでいる。 女性魔法使いティナと女性僧侶海里だ。 更に片手剣も使える女剣士魔法使いだ。 肝心の勇者モンタークは短気で融通が利かない所があるが常に何かに対し滾っている。 一応女性だが。 怒ると目の前が見えなくなるタイプ。 此れでもソフトな言い回しだ。 要は一昔前の典型的な主人公気質である事。 しかし彼女はかなりのネガティブ思考で自分は無能であると自負している。 因みにラノベの必須要因中二病的な要素等は持ち合わせていない、現実を直視するタイプだ モンタークは容姿も身長が170センチと高い方で本人は気にしているがスタイルは抜群である。 背中まである長い髪と一緒に大剣を後ろに背負っている。 風貌も一昔前の剣士である。 クラウドの女版である ソイ「頭ツンツンにした方が良いんじゃないですか?」 某大ヒットRPGゲームの主人公と重ね合わせられ揶揄われる。 簡潔に主人公を説明すると、要は男性が女性を口説き落とすセリフと一緒で、使い古された手垢だらけの勇者である。 ティナ「そんな細い腕でそんな大きな剣良くブンブン触れるねそれ1.5メートルクラスでしょソイを持って振り回してる様なもんだ笑」 ソイ「ティナ、私の方が1センチ高いですよ」 ティナは身長164センチ、ソイは151センチある。 ソイはムッとしていた。 モンタークは当然筋肉で剣を振るっているのではない魔法の力に頼り勇者ならではの魔力で大剣をいとも簡単に振れるのだ。 巨大な岩の裏に止まっている蝶々がいる。蝶々を大剣で斬り付けると岩は砕け蝶々は何事もなかったかの様に飛び去っていくといった離れ業を持っている。 パーティメンバーのティナは洋服が大好きで戦闘中以外は足ネイル等お洒落したり香水を付けたりで容姿端麗かつ才色兼備で男が寄って来ない日はない。 しかし半分以上は風俗の勧誘だ。 決してビッチではない。
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