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†人間界にて†
わたしはその亀裂に入り
先を進む、しばらく進むと
どこかの森にでた…
妖ノ森とは違うな。
頭を小脇に抱えながら
目だけで辺りを見回す…
舗装された道だが石畳とも違う
それにこの鉄の棒はなんだ
先端が光っているではないか…
その周辺だけ明るい。
しかし、妙だ…
この木々の色、美しい緑色をしている
空気もなんだか新鮮だな。
わたしはその森を進み続ける…
おっと…鉄の塊がわたしの
前をかすめたぞ、煙い!
小脇に抱える頭が咳き込んだ…
右と左で道が別れている!
これはどちらへ行くべきだろうか…
とりあえず、鉄の塊が進んだ方とは
逆の方へ進んでみよう。
逆方向へ歩いていると
建物が見えてきた
この建物も見たことがない…
わたしが住んでいる妖界に
こんなに高い建物はない!
あの、ナーティクスめ…
領地だと言っていたが
明らかに別世界ではないか!
わたしを騙したな!?
わたしは近くの木に飛び移り
違う方向から自分が来た場所へ戻ってきたが
あの亀裂がどこにもない!
わたしは広場に立ち尽くし
明るく光るもののそばで
考えた…どうすれば
もとの世界に戻れるのかを…
広場にただただ…
立って考えたのだ。
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