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……。
間違っちゃいないけどな、ことわざとしては。
だけどさ。
俺受験生だよな。ここは普通学業成就守とかさ。折角武士の守り神だから、勝運守や刀守で勝ってこい、ならよくわかるんだけど。
しかもあそこってさ。
源実朝が参拝に行って参道の石段のところで甥の公暁に切られて命落としたんだよな?
しかも部下に防弾チョッキならぬ腹巻きをして行けって言われたにも拘わらず、別の部下に大臣は腹巻きなんかしねえって言われて、実朝は腹巻せずにいって……ノーノー。葵はそこまで考えてないって。
いや、モノは考えよう。
実朝は若くして出世街道を走ったから俺もそれにあやかって……益々そこまで考えてねーよな。第一それなら出世守だ。
「試験頑張ってね。これでバッチリよ。」
………。
「あのさ。」
「ん?」
その、ドヤ顔に今更なにを突っ込む気もないがこれだけは言わせてくれ。
「チョコレートは?」
「今飲んでるじゃない。」
…………そうですね。
ココアパウダーはカカオマスからカカオバターを取り除いたものでチョコレートは逆にカカオマスにココアパウダーや砂糖やミルクなんかをガンガン突っ込んだものだから原料も途中までの行程も同じで………ぐふぉ。
「美味しいでしょ?」
「……うん。ありがとう。」
頭はウッドペッカーのようにこくんこくん。
「当日はちゃんとつけてってね。」
うんうん、こくんこくん。
え?
これを?
頭の中で描く俺。
冷え対策に今だって長袖下着を着込んでる俺。下も当然タイツを履いてる。
そこにこのピンクの腹巻き。
そして首から下げる安産守。
待てよ、そこに帽子被ったら……
ガクブルッ!
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