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序章
民間信仰の多くは、森羅万象に心霊が宿るという考えがある。
古の人々は、山や樹木、岩などの自然物を神の依り代として祀っていた。その名残であろうか、山梨県には現在でも七百カ所以上の丸石道祖神がある。天然に産出された丸石の珍しさに神性を感じたか、あるいは玉は魂に通じると考えたのか、いずれにしろ道祖神としてだけでなく、山神や屋敷神として数多くの丸石が祀られている。
丸い形状は子孫繁栄の象徴であったかもしれない。
この地には、丸石を拾って道祖神とし、石の数が増すと道祖神がボコ(子ども)を産んだという伝説がある。
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