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本当に、ほーんとうに大っきな穴!
うまく例えれないけど、たぶん小さな町が余裕で入るくらいかな?
何で気づかなかったんだろうっていうくらい大きい。
『飛び込む。』
ここでメモは終わっていた。
そうね、ここで死んで──生まれ変わるのね。
歩く前から心の準備はできていた。
わたし、何に生まれ変わろうかずっと考えていた。
やっぱりかなちゃんのお姉さん?って思ったけど、なんかちがう気がした。
だって、わたしがどんなにがんばっても、かなちゃんにはなれないでしょ?
わたしのママだって、パパだって、先生だって、どんなすごい魔法を使ったって、なることはできない。
人は、そう決まってるんだって。
でも、新しく作ることはできるでしょ?
わたし、らぶゆーずの新メンバーになる。
名前は、まあ、ユミでいっか。
それで、教えてあげるの。
天国に行ったお姉さんを、今でもずっと愛してあげてって。
ユミアイドルはここにいるから、かなちゃんも夢をあきらめないでって。
すう、はー。深呼吸かんりょう。
ああ、はやくかなちゃんを助けたい。
そのまま、ひゅーんと身を投げた。
ゴツッとか、ドンッとかもなかった。
まったく、こわくなかった。
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