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かなちゃんはニコッとえくぼを見せた。やっぱり、笑うときが一番かわいい。
これが心から笑っている笑顔だということを、わたしは知っている。
だって、こんなに唇を上げて、目を糸くらい細くして笑うことなんて、めったにないのよ?
「あたし他の友達もいるけどさ、みーんなおとなしい子のかげぐち言ったり、そろいもそろって無視したりしてんの。正直つかれるわ」って前言ってたの。
もしかして、もしかしたらだけどね…
わたし、学校では無口だけど、かなちゃんの前ではこんなにしゃべれるし、
わ、わたし、
かなちゃんにとって特別な友達なんじゃないかしら?
え、ええそうよ。きっとそう!
わたし、かなちゃんの他に友達いないし、わたしにとっても大切な友達だから!
気付けば、時計は六時を指していた。
大変、もうこんな時間!五時半には帰ってこいって言われてるし…
わたしまだ四年生だから誘拐とかされないかしら。
「ゆっちゃん、時間でしょ?あたし、一緒についてくよ!」
「え、いいの?でも、かなちゃん帰り一人になっちゃうよ」
「いいのいいの。いつもあたしを楽しい気持ちにさせてくれるじゃん!たまにはお礼。
それにあたし、明日ダンス教室なのよ。はあ~、つかれちゃうわ」
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