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「おねっ、お姉ちゃんが、い、いなくなっちゃった…ひくっ、し、死んじゃった!」
わたしはただうつむいて、うんうんとうなずきながら、かなちゃんの背中を静かになでることしかできなかった。
かなちゃん、お姉さんが亡くなったの?
ああ、それは悲しいわね。
だってかなちゃん、お姉ちゃん大好きって、いつも話してたもの。
わたしは誰かを亡くしたことはないけど、痛いほど気持ちが分かるわ。
だって、わたしはかなちゃんの親友だから。
次の日、かなちゃんはダンス教室をやめた。
あんなにアイドルグループを作るってがんばってたのに。
こんなの、わたしが知ってるかなちゃんじゃない。
わたしは、かなちゃんをまた笑顔にしたい。
あるウワサを聞いたことがあったわ。
たしか、“生まれ変わりの地”とか言ってたわね。
それは、どうもその場所で死ぬとなりたいものに生まれ変わることができるらしい。
本当だったら、人だけではなく虫や鳥、物にもなれるとか。
でもあくまでウワサだから、本当かどうかは分からない。でも試してみる他ない。
家にすっ飛んで帰って来た。いつもはわたし手を丁寧に洗うところだけど、家族で使っているパソコンの前にこしを下ろす。はっ、はっ。呼吸がまだ苦しい。
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