3人が本棚に入れています
本棚に追加
ウワサは知ってるけど、詳しくは知らないもの。こういうときは調べるんだってことを知ってる。
使いなれないパソコンとにらみ合いながら、ローマ字表をもってきて慎重に入力する。
やっと出てきた。それをメモしてすぐさま家を出た。ああ、ランドセルをしょったままだわ。まあいい。気にしない。
走って、走って、その森林にたどり着いた。
命環森林。
昔はよくいこいの場として、たくさんの人が訪れていたけど、このウワサのせいで立ち入り禁止になってしまったらしい。
木々の一つ一つがわたしの身長を十倍にしたみたいに大きくて、小さなわたしを見下ろしていた。
りんりんとしげる青葉たちが、わたしの鼻の前をひらりひらりと駆け抜けてゆく。
この一体の森林に、踏みつぶされてもおかしくない。そんなオーラを放っていた。
でも、真っ黄色のテープがはしからはしまで張り巡らされているのは残念だわね。美しさが落ちるわ。
見とれてる場合じゃない。
わたしは足が引っかからないようにそろりとテープをまたぎ、もう片方の足もまたぐ。
最後の方は少しテープがずれちゃったけど、そんなの気にしない。
この先に、生まれ変わりの地が…!?
最初のコメントを投稿しよう!