神崎美葵《かんざきみき》

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そこからのムーンさんは迅速だった。 彼を探しに出掛けたっきり一か月も帰ってこない。 勿論私も探してはいるがムーンさんに店を頼むといわれたのであまり遠出 はできない。 と言っても毎日声をかけるだけだった。 その間店は、いつも通りスピネルが持っていたし私とスピネルとの 仲もそのままだった。 その日も、私は声をかけに出たが何の収穫もなく帰ってしまった。 ただその日はなぜか見られているような気配がふっとした。 店に帰ると15,6の少女がいた。ローゼとは違い純白の髪で目はまるで血の ように濃い赤色だった。そしてなにより透明感のある肌が特徴的な少女 だった。 私は、ふとカードを渡すことを思い出し渡すと 「いりませんよ」 と少女は鈴のような声でそう言い微笑んだ。 スピネルは可笑しいとでも言うように声を殺し笑っていた。 すると、その少女は口を開き、 「ムーンから話を聞いていませんか?」 と言った。私が聞いていないと答えると 「そうなんですね。私の名前はガーネットといいます。」
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