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とても強い力で腕をつかまれた。
「はなしてくださいっ。誰か助けて……」
急に湿ったハンカチを口元に当てられとてもとても甘い匂いが鼻孔を通り過ぎ
て行った。そこで意識はなくなった。
次に意識が戻ったとき私は一人の美少女に見つめられていた。歳のほどは
15、6ぐらい。髪の色は、銀髪。顔は狐のお面でつつまれていた。なぜ顔が見
えないのに美少女だと思った。
理由はすぐにわかった、その女の子は私を見るとお面の下でニコッと笑った。
まるで花が咲いたかのように、周りが明るくなったからだ。きっとこの女の子
は雰囲気から美しいのだ。
すると女の子は、私が気が付いたのに気付いてパタパタと足音を立て走って
行ってしまった。
するとまたすぐに誰か男の子を連れて戻ってきた。こちらの歳は16、7ぐらい
だろうか、さっきの女の子より少し背が高く大人っぽい。さっきの女の子も大
人っぽいのは間違いないのだが。髪の色は、青磁色で顔立ちはと
ても整っていて、モデルだと言われたら信じる以外の選択肢はなくなるだろ
う。目の色は虹色の瞳でとても珍しい。
「大丈夫ですか?自分の名前分かりますか。あと年齢とか。ん?あれ女性に年
齢って聞いちゃダメなんだっけ?」
と聞いてきた。少し頭がボーッとしているがちゃんと答えられる。
「神崎美葵。23歳。」
「じゃあ、美葵さんって呼びますね。」
「はい、えっと……
「あっ、僕の名前は、アレキサンドライト。こっちの女の子はローゼライト
です。」
アレキサンドライトとローゼライトか。
「ぜひ僕はアレク、彼女はローゼと呼んでください。」
「あのアレク君?」
「アレクとお呼びください。」
「アレク、私は何でここにいるの?」
「それは、スピ兄とあっスピネル兄さんとムー姉、ムーンストーン姉さんが一
時間くらい前、運んできたんです。
「なんか、酔っ払いヤンキーにからまれて眠らせれた。」「しばらくベットに
眠らせといて。」
って言ってたんです。あっスピ兄とムー姉が来ました。
「あっえーと、目覚めたんだ。よかった。ちょっと危ないところだったんだ
よ。連れ去られそうになってて。」
「さっさと起きろ、飯だ。」
「ごめんね、スピネルは無愛想だから。」
「うるさい。別にいいだろムーン。」
「あっあのここはどこですか。」
勇気を出して聞いてみた。
「ごめんね、ここは、幸せを売っている『幸福堂』。」
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