神崎美葵《かんざきみき》

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「幸福堂?」 「ええ、そうよ幸せの種っていうのを売っているお店。」 お店ときいて私はつい口走っていた。 「あの、私のこと雇ってもらえませんか。私神崎美葵って言います。会社の寮 に住んでいたんですけど会社をクビになって、住むところがないんです。」 言ってしまった。 「そうだったのね。私は賛成。働き手を増やしたいなって思ってたの。それに 家がないなら家のに二階にみんなで住めばいいし。」 「俺はムーンがそう言うならいいが……ぜってー俺に指図すんじゃねーぞ。」 「僕はいいと思います。ローゼもいいと言ってますし。」 とアレクが言うとアレクの後ろにいたローゼも首を縦に振った。 「ありがとうございます。」 「じゃあ、あなたは明日から〈セレナイト〉ね。」 「えっどういうことですか?」 「私たちの店にはいろいろなお客さんがいろんなところから来るの。もしス トーカーとかになったら怖いでしょ?」 「そうなんですね。頑張ります。」 一つ思ったのだがみんなの名前は、全部宝石の名前。なんでなんだろう。 そんな疑問はすぐに働ける喜びにすり替わっていた。
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