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家族の贈り物。
夕暮れの静かな墓の前で、双子は息を飲んだ。
母親にそっくりな綺麗な女性が、静かにこっちを見て微笑んでいた。
「どう見ても…母さんの親戚?」
「あそこまで似る?雰囲気違うけど、顔、そっくりじゃない。行く?」
珍しくいつも強気な冬護が、控えめに言う。
「母さんは鬼だぞ? 母さんに似てる人も鬼じゃないのか?」
「ていうか…あれ、人?眷属ってやつ?」
「なんで母さんそっくりの眷属がいんだよぉ~怖いだろ?」
500メートルくらい先にいる女性は、微動だにしなかった。
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