家族の贈り物。

1/7
177人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ

家族の贈り物。

夕暮れの静かな墓の前で、双子は息を飲んだ。 母親にそっくりな綺麗な女性が、静かにこっちを見て微笑んでいた。 「どう見ても…母さんの親戚?」 「あそこまで似る?雰囲気違うけど、顔、そっくりじゃない。行く?」 珍しくいつも強気な冬護が、控えめに言う。 「母さんは鬼だぞ? 母さんに似てる人も鬼じゃないのか?」 「ていうか…あれ、人?眷属ってやつ?」 「なんで母さんそっくりの眷属がいんだよぉ~怖いだろ?」 500メートルくらい先にいる女性は、微動だにしなかった。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!