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先頭をきって歩く佐々木の後ろ姿を見、こいつも難儀な性格だよなぁとしみじみ感じる。
こうゆう時こそ、好きな奴に真っ先に話しかけてアプローチしたいだろうに、世話好きなのか妙に人に良くする質があるから、店を確保したり、人数を確認したりといつの間にか責任を負う立場になっている。
まぁ、つまりは不器用な奴なんだよな。
もっと上手くこなせばいいのに、と思わなくはないが別に自分の関与するところではない。
後ろをおもむろに振り向き、佐々木の想い人を探す。
あ、いた。
黒い艶々とした頭がひょこひょこと後方から着いてきている。
高嶺の花、ならぬ孤高の存在だからか他の人と話している様子もない。
視線を逸らし、前方を歩く佐々木を見遣る。
溌剌として人が良い佐々木、孤高の存在の成瀬。
2人が一緒にいることを想定してみる。
ーあんまり違和感ないかも。
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