1.僕の恋人は、浮気性。

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大学生というのは、不思議なもので、何かとグループができると、一旦集まって仲良くする機会が設けられることが多い。 このゼミの親睦会もそうだ。 みんなそれぞれ、サークルやら一年生の時に仲良くなった人もいるだろうに、ゼミという特定のグループで、お酒も交えながら喋る機会が設けられた。 とはいえ、僕は少数で構成されるサークルに所属していたので、あまり知り合いがいなく、心細かったのもあり、助かったのは事実だ。 でも、問題なのは、僕自身が少し社交性に欠けていることだった。 ▽▽▽ 自分から話しかけることも出来ず、奥の方でちびちびとお酒を飲んでいたのだが、静かにお酒を飲んでいるのが幸か不幸か、騒いでいるグループの1人が僕を見つけ、 「お!成瀬、めっちゃ飲んでるっ!!」 と大声で言った。すると、その人はこちらへ近づいくると、 「成瀬!俺と飲み比べしよーぜ!って俺の事知らないか。笑 俺、佐々木 雄星!実は、去年の授業で隣によく居たんだけど…。まぁ、よろしくな!」 ニカッと効果音が付きそうな笑顔で言う。 ー僕のこと知っている人いたんだ…!よかった…。 『あの、僕は成瀬 律。佐々木くんよろしくね。』 「おうよ!」 そう言って気の良さそうな佐々木くんとやらと握手をする。 「へぇ。じゃあ、こっちが地元ではないんだ?」 『そう、北海道だから…』 「北海道か。いいよなぁ、美味いもんいっぱいあるし!」 佐々木くんは、僕が会話を途切れさせてしまうと、上手く次の会話に繋げてくれて、意外にも会話が弾み、だから僕は楽しみながらお酒を飲んでいた。 だからなのか、正直その時以降の記憶が曖昧なのだが、…知らないうちにかなり飲んでいたのだろう。 初のゼミ集まりで、酔い潰れてしまったのだ。
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