猫派代表

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猫派代表

「んー、もふ会のお知らせ?兵庫遠いんだよにゃー。」 宮尾知夏(24)は、猫缶を慣れた手つきで開けながら欠伸をする。猫たちは足元で礼儀正しく器が置かれるのを待っていた。 「はーい、みんなお待たせ~。喧嘩しちゃ駄目だよ?」 宮尾が一匹一匹、様子を確認しながら器を置いていく。すると、猫たちは嬉しそうににゃー、と頬張り始める。 「タマにブッチ、ミケはいるねー。にゃ、ユキマルは・・・デートかにゃ?。」 器を置き終わると、大きく伸びをした。猫たちの次は自分のご飯だ。宮尾は棚から鰹節を取り出した。開封前から漂う魚介の旨味に宮尾のお腹は猛獣と化す。手際よく猫まんまを作ると、宮尾はそれを持ったまま縁側へと向かった。 「いい天気!ご飯食べて、お昼寝日和にゃ!」 勢いよく猫まんまを掻き込むと、器を置いて、また大きな伸びをする。石垣の向こうから次々猫たちが集まってきた。たくさんの猫に囲まれ、宮尾のお昼寝タイムはもふもふと安らかなものになる。沖縄県の片隅で猫たちのための家は、宮尾にとっても楽園となった。 「・・・もふ会の準備・・・・むにゃ、後でいいやー・・・・。」
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